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『トータル・リコール』を観た感想

監督 レン・ワイズマン
出演 コリン・ファレル/ケイト・ベッキンセイル/ジェシカ・ビール


1990年にアーノルド・シュワルツェネッガー主演で映画化された同タイトルのSFアクションの原作短編小説『追憶売ります』(フィリップ・K・ディック)を、『アンダーワールド』『ダイ・ハード4.0』のレン・ワイズマン監督が再映画化した作品。
シュワルツェネッガー版はもう20年以上も前の作品だけど、当時見て結構面白いと感じた記憶が有るので、映画マニアの方々からの酷評の嵐を承知の上で劇場で観て来ました(笑)。


舞台は、世界大戦後の荒廃してしまった近未来の地球。
人類が居住可能な地域はヨーロッパの一部に作られた裕福層の住む町「UFB」と、オーストラリアに作られた貧民層が住む街「コロニー」の2つだけになっていた。
「コロニー」に住むクエイド(コリン・ファレル)は、代わり映えの無い貧しい日々に嫌気が差し、ある刺激的で危険な遊びに手を出してしまう。
それは、脳へ植えつける「人工記憶」としてどんな願望でもかなえてくれる非合法化な記憶操作であり、それを行っている「リコール社」でクエイドは憧れの「捜査官」の記憶をセレクトする事に。
そして脳へ記憶を植えつける操作に入るが、その途中に武装警官隊が突如突入して来てクエイドを取り囲んでしまう。
警官に追われる様な出来事に覚えの無いクエイドは混乱するが、無意識のうちに恐るべき体術で十数人の武装警官隊を倒してしまい、、、、。


製作の噂を聞いた時はリメイクだと思ってたんですが、原作が同じなだけで全く別の作品になってますね。
シュワルツェネッガー版は、確か火星が舞台だった様な、、。

同じフィリップ・K・ディック原作を映像化した80年代SFの傑作『ブレードランナー』を彷彿とさせる「どこかアジア風な退廃的な未来都市」の美術は結構頑張ってるし、アクションもなかなか迫力が有って良かったです。
2時間をあっと言う間に感じさせる展開で、俳優陣では鬼嫁を演じるケイト・ベッキンセイルが良かったし、ビル・ナイが観れたのも嬉しかった。

でも、序盤に少しだけ「捻って」見せてる「植えつけられた記憶なのか?それとも現実なのか?」っていう核になる設定が物語の中盤以降は全く生かされず、「よくあるSFアクション映画」になってしまってるのが残念。
クリストファー・ノーランが『インセプション』で参考にしたと公言してた『13F』みたいな展開が終盤にあれば、もっと面白い作品になってたと思う。
あとは、個人的に日本のアニメの大傑作の一つだと思ってる『ビューティフル・ドリーマー』みたいな展開とか。


それにしても、監督のレン・ワイズマンって毎度毎度、「上の下」的な完成度の作品ばかりだなぁ、、という印象。
ハリウッド大作として「それなり」にしっかり完成させてるんだけど、ただ「それだけ」って感じなんですよねぇ。
「星の数程あるポップコーンムービー」の中の「結構面白い」レベル帯から外れる事の無い作品作りばかりというか、、。
『アンダーワールド』でも『ダイ・ハード4.0』でも多用してた「高低差」を使った上下の動きの激しいアクションをまた今回も多用してるし、ワンパターンと言うか代わり映えがしないと言うか、、、、演出や物語の組み立て等の全てがイマイチぱっとしないんですよね。
よく出来たコンビニ弁当みたいな作品ばかりと言うか、、、時には見た目が悪くても美味しい田舎料理や、ちょっと背伸びした高級料理にも手を出してみたら?って感じちゃうと言うか、、、。例えがアレですが(笑)。
まぁ順調にキャリアを築いて来てるみたいだし、プチ・マイコーベイ先生みたいな監督になって行くのかな(笑)。

「虚構と現実の交錯」を描いた気軽に楽しめるSFアクションとしては『アイランド』等よりは遥かに面白い作品だとは思うけど、これを観る暇が有ったら『13F』『ダーク・シティ』『ミッション8ミニッツ』『ビューティフル・ドリーマー』『パプリカ』あたりの作品や、初期のテリー・ギリアム作品を観て欲しい感じですねー。

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Category: 映画