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『鈍獣』を観た感想

『鈍獣』

監督:細野ひで晃
脚本:宮藤官九郎
出演:浅野忠信、北村一輝、ユースケ・サンタマリア、真木よう子、佐津川愛美、南野陽子


日本人俳優の中では一番好きな浅野忠信さんがコメディタッチの作品で変なキャラを演じている、、という説明を見た時から気になってた作品なので昨日劇場へ行きました。
ちなみに、『レッドクリフPart2』とはしご鑑賞(笑)



すべてが相撲中心のおかしな田舎町、ときわ。
そこに、失踪した作家・凸やんこと凸川を探し、担当編集者の静がたどり着く。
町のホストクラブ“スーパーヘビー”で待ち受けていたのは、凸やんの同級生の、ナンバーワンでなくオンリーワンホスト・江田と、インチキ警察官・岡本、江田の愛人・順子ママに、ブリっこホステス・ノラの怪しすぎる面々。
実は数ヶ月前、江田と岡本は凸やんに再会していた。
そこで、自分たちの25年前の、絶対に知られてはいけない忌まわしい過去を、小説として連載していると知った二人は決心する。
「凸やんを殺す」と。二人の殺意に鈍~い凸やん全く気づかない。
それどころか殺しても殺しても、ゼッタイに死なないのだ!なぜだ…!?そして物語は、驚愕の結末へとスリリングに加速していく。

(以上、『鈍獣』のチラシ掲載のストーリー紹介文から抜粋)


「もうおしまい?」
一言でまとめると実は単純なコメディでは無く、ブラックな『スタンド・バイ・ミー』って感じの作品でした。
大人になれないオトナ3人が、それぞれに葛藤し苦悩しながら『とある日の記憶』を昇華させていく物語。


予想より遥かに面白かったですねー。
自分の中では「邦画BEST10」に初登場ランクイン(笑)。

正直に言って、失笑してしまう様な演出や演出不足を感じる所が多々あるし、カメラワーク等で色々とチープでテレビドラマの延長の粋を出てない印象を受ける作品ではあるんですが、とにかく主演の浅野忠信さんと北村一輝さんの演技とそのキャラが面白い。
監督は力不足な印象を受けますが、役者と脚本の力で成り立ってる印象の作品。

凸やんの異常なまでの鈍感さを、絶妙な間や自然でコミカルな表情で演じる浅野さんが凄過ぎます。
彼の演じる凸やんの言動を見てるだけで面白い。
南野さんの演技は酷かったですが、、、。



以下、ネタバレを含む感想なので反転しておきます。

江田と岡本の良心の呵責の具現化が『凸やん』なんでしょうね。
江田と岡本の幼い日の鈍感さが『凸やん』を生み出し、凸やんの異常なまでの鈍感さが江田と岡本の孤独を抉り『逃げ出した場所』へ立ち戻らせる。
最後の『ウルフ』って台詞で凸やんは小説という呪縛(悪意の無い復讐)から解き放たれ、彼を救った江田達もまた救われたんでしょう。

苛め等の直接的な悪意は人を傷つける。表現方法を間違った好意の押し付けも時として人を深く傷つける。
それらは共に他人の心を汲み取れ無い心の鈍感さに起因する物であり、「人は皆、鈍獣(鈍感な獣)なんだよ」という事なんでしょう。




自分はDVD出たら買います。
浅野さん主演作品では『鮫肌男と桃尻女』『茶の味』と並んで一番好きな作品になりました。

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Category: 映画