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「デス・プルーフ in グラインドハウス」

製作・監督・脚本・撮影 クエンティン・タランティーノ
出演 カート・ラッセル / ロザリオ・ドーソン / ゾーイ・ベル / メアリー・エリザベス・ウィンステッド



数年前に製作が発表された時から楽しみにしていた作品。
やっと時間が取れたので昨日劇場で鑑賞して来ました。


「グラインドハウス」というのは、売れないB級映画ばかりを2本立てで上映する様な、場末な雰囲気漂う映画館の事。
日本でも昔は2本立てで上映してた所が多かったですよね。
そのグラインドハウスの雰囲気と70年代の映画へ、映画オタクのタランティーノがオマージュを捧げた作品。

ストーリーはシンプルで陳腐。
カート・ラッセル演じる元スタントマン「スタントマン・マイク」が耐死仕様の愛車を凶器に、次々と女性を血祭りにあげるスラッシャームービー。


いやぁ、予想通りアホな映画でした(褒め言葉)。面白かった。
相変わらず「映画オタクが作る映画オタクの為の映画」って感じで激しく見る人間を選ぶ作品ですが、タランティーノの大ファンでガキの頃からのB級映画好きな自分には最高の作品でした。爆笑しながら見終わって、帰宅途中も気分爽快(笑)。
強烈極まりないラストシーンは声を出して爆笑しました。

無数の細かいノイズの入る画面や音飛び等、フィルムの劣化を再現した映像は凝ってたし、70年代テイスト溢れる映像センスも良かったです。
ワイヤーを消す為に使ったCG以外は全て実写で行われたカースタントは迫力満点だったし、前半部分はタルいのに後半にかけてどんどん盛り上がりを見せる構成も良かった。
最近のハリウッドアクション映画は、最初から最後までジェットコースターみたいな展開の作品ばかりですからねぇ。

そしてタランティーノ映画でお馴染みの、登場人物達がダラダラと無駄話をする部分も面白かった。
「アンジー(アンジェリーナ・ジョリー)の出てるクソ映画じゃ無い方」って台詞とか、おいおい、業界での人間関係大丈夫か、、、って心配になったけど、さすがは、盟友ロドリゲスの立ち上げた「トラブルメーカー」スタジオ作品って感じかな(笑)。
でも、マニアックな会話を延々と続けてるので、タランティーノの趣味と合わない人には苦痛なシーンでしょうねぇ。
度々ネタとして出てきた「バニシング・ポイント」(1971年/米)なんて、ある程度の年齢以上の映画オタクじゃないと名前すら知らないだろうし。


映画に詳しくない方の為の豆情報。
作中の雑談で、70年代の映画が好きで車マニアな女性達が褒めてた映画「バニシングIN60」は1975年公開のアメリカ映画。
それをリメイクしたのがアンジェリーナ・ジョリーが出演してた「60セカンズ」(2000年/米、ニコラス・ケイジ主演)。
ちなみに「60セカンズ」は商業主義映画の王様ジェリー・ブラッカイマー製作(笑)。
タランティーノやロドリゲスが彼の作品群が嫌いなんだろう事は簡単に想像付きますね(笑)。


ちなみに、後半の女性4人の中の一人を演じたロザリオ・ドーソンはロドリゲスの「SIN CITY」にも出演してましたし、チアリーダーの衣装を着てた可愛い女の子は、「ダイ・ハード4.0」でマクレーンの娘役を演じたメアリー・エリザベス・ウィンステッド。
そして、大作にも出るけどB級映画の香りが抜ける事は無い素敵な俳優カート・ラッセルは、メチャクチャ良い味出してましたね。
きっと本人も楽しく仕事してたんだろうなぁって雰囲気が伝わって来ます。
スタントマン・マイク、かなり怖いし(笑)。


残念なのは、日本公開版はアメリカ公開のオリジナル版とは違う作品になってる事。
最初はロバート・ロドリゲスの「プラネット・テラー」と2本立てのスタイルで作られ、映画のフェイク予告編が4本入ってたんですよね。
でもアメリカでの興行収入が良く無かったので配給会社側からのテコ入れを受けてしまい、追加編集された上で別個で上映されることに。
製作会社の言いなりな商業主義ど真ん中の大作や賞レース狙いの作品が大嫌いなタランティーノとロドリゲスが好き勝手に楽しんで作った作品なのに、結局は会社側の意向で弄られてしまったのが残念な作品。
彼らの一番の狙い「グラインドハウス」イメージが台無しやんけ。
仕方無いとは言え、ファンとしてはやっぱり腹が立ちますねぇ、、。
DVDでは是非、オリジナルの2本立てスタイルの物を出して欲しい。


クエンティン・タランティーノの持つ映画オタクな部分に共感できてしまう人にはオススメな作品。

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Category: 映画