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「ワイルドバンチ」

監督 サム・ペキンパー
出演 ウィリアム・ホールデン / アーネスト・ボーグナイン / ロバート・ライアン


1969年公開アメリカ映画。
自分より上の年代層の映画ファンに褒めてる方が多い作品なので以前から気になっていました。
DVDで購入してあったんだけど、昨日やっと鑑賞。


舞台は1913年のメキシコ。
パイクをリーダーとする5人のアウトロー達は強盗をして生きていた。
そんなある日、革命派のマパッチ将軍から腕を見込まれて列車強盗を依頼される。
列車の積荷は米政府の武器や弾薬だったのだが、その武器弾薬をマパッチ将軍に引き渡すことはパイクの仲間の故郷の村の平和を脅かす事を意味していた、、、、。


物凄いパワーに溢れる映画でした。
こういうのを名画って言うんでしょうねぇ。

「最高の男汁映画」「最後の西部劇」「バイオレンス映画の最高傑作」と評する方々をよく見かけるのも納得です。
40年近く前の映画なので色々と古臭い部分があり、正直言って137分の尺の中に無駄に思える部分も多いですし序盤のアクションシーンの後から中盤までの展開は、最近のジェットコースターの様なハリウッドアクション映画を見慣れている人は中だるみを感じてしまうと思います。

でも、それら全てを吹き飛ばしてしまう程に中盤から終盤の展開が良い。
スローを多用した圧倒的なバイオレンス描写と、渋くて巧い俳優陣が見せてくれる「男気」に痺れます。
やっぱりねぇ、男は何歳になっても「男の子」の部分を持ってて、「西部劇」はその部分を刺激してくれるんですよね。
数百人の兵士vs主役4人の壮絶な銃撃戦は問答無用に燃えます。
法も道徳も無視して生きて来たアウトロー達だけど、でも絶対に譲れない部分があって、それを汚す相手には命を投げ打ってでも断固として抗う。
その為に4人が「死」に対する覚悟を決め、「Let's go」「Why not?」という短いやりとりの後に無言で歩き出すシーンは「死の行進」と言われてるらしいんだけど、4人横並びで堂々と敵兵士の群れの中に入って行って敵のボスと対峙する件はカッコ良すぎて鳥肌が立ちました。
3人が歩き出したところにニヤリと笑って合流するアーネスト・ボーグナインの表情も良かったし、リーダーのパイクを演じるウィリアム・ホールデンは渋すぎて惚れます(笑)。
彼の、「面白くない」という雰囲気を漂わせつつも品と哀愁を感じさせる表情と優しい目元が凄く良かった。

そして「男の死の美学」を描きながらも決して湿っぽくならず、徹頭徹尾ドライな描き方なのがまた良い。
主役パイクと追っ手のソーントンの関係と描き方も巧くて、死に際を逃してしまったソーントンの虚無感漂う座り込みのシーンも良かったし、冒頭で少年達に苛められてる虫の姿が物語りの全てを暗示していたり最後に××を撃つのが少年だったりする辺りにも巧さを感じる。
シンプルな西部劇に見えてその実は深みを与える巧い演出を色々と施してあるのが、この映画がただの西部劇では無い所以なんでしょうね。

「西部開拓時代」が終わりを告げて行く中、泥にまみれた生き方の中でも失う事の無かった高潔な魂を見せ付けながら消えて行く者達の「時代に取り残されて行く者達の悲哀」みたいな部分では、エドワード・ズウィック監督の「ラスト・サムライ」に似てるかも。


余談。
アメリカの雑誌「Movieline」が2002年に行なったスタイリッシュ・シーン・ベスト100の投票で、ワイルドバンチの中の「ウィリアム・ホールデンが仲間を引き連れてメキシコの街を通り抜けるシーン」が9位に選ばれてました。


西部劇が好きな人や、男臭い映画が好きな人には超オススメ。
近年のCGだらけのアクションに食傷気味だっていう大人の方も是非。

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Category: 映画