MILLION MIRRORS-blog-

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「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」

監督 キース・フルトン
主演 ハリー・トレッダウェイ / ルーク・トレッダウェイ


自分のアンテナからは外れていた作品なのですけど、mixiで知り合った方に誘って頂いて昨日劇場で観てきました。


胸の下辺りで体が繋がっている一卵性双生児の兄弟トムとバリーは金儲けを考える父の手によって興行師に売り渡される。
そこでギターと歌を覚えさせられ「ザ・バンバン」と言うバンドのフロントマンを務める事になってどんどんと人気者になって行くが、密着取材をしていた女性記者ローラとトムが恋に落ちた所から全ての歯車が狂い始め、、、、。


いかにも(良くも悪くも)イギリス映画だなぁ、、、という雰囲気を持った「ロック」映画。
まずは主演2人がビジュアル的にカッコ良いです。特にバリーを演じたルーク・トレッダウェイの表情(特に目)は凄く良かった。
暴力的で破滅的、刹那的で儚く繊細で美しい青年を好演してますね。

この作品はロックバンド「ザ・バンバン」が実在したかの様にドキュメンタリータッチで描かれて行きます。
映画の序盤はその手法に必要性をあまり感じず少し作品に入り込み難い印象を受けるのだけど、徐々にその手法の意図する所が見えてきますね。
主人公2人が言葉で自身の心中を語る事は無く、カメラは終始客観的な視点で2人を描いて行く。
その描き方が彼らの存在感にリアリティを感じさる吸引力となり、まるで「見世物小屋」の中の2人が破滅に向かって生きていく様を外から見守ってる気分になって行くんですよねぇ。
その中で主人公2人は言葉ではなく表情で語り、涙ではなく音楽で心の慟哭を叩き付けて見せる。
体と一緒に心も繋がって居た2人の間に亀裂が生じ、取り返しの付かない所へ落ちて行く様は切なく哀しいです。

ハリウッド製作ならきっと普通のフィクションドラマとして描かれ、終盤にあのローラの手紙の内容が実行されて「お涙頂戴」の安っぽい扇情的な演出の嵐になったんでしょうね。
そして日本では「全米が涙した」と、いかにも「泣けます」って予告を打ちそれなりにヒットだろうねぇ(笑)。
そういうハナ○ソな方法へ転ばず、淡々と描いて見せてるのが好感度大。


「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ 」とか好きな人にはかなりオススメな作品です。

2 Comments

哀生龍  

>そして日本では「全米が涙した」と、いかにも「泣けます」って予告を打ちそれなりにヒットだろうねぇ(笑)
“涙”を売り文句にちゃいけない作品ですよね。 そのせいでヒットはしなくても・・・
切ない哀しい展開ですが、それを強調しなかった事と、彼らの気持ちを音楽で見せたのが凄く良かったですよね。

実の双子であっても、撮影のために体をつないでいるのは非常に大変だったとの事。
それを考えると、「ふたりはクギづけ」はもっと大変だったんだろうなと、余計な事まで考えてしまいました(苦笑)

2007/02/12 (Mon) 17:13 | EDIT | REPLY |   

秋  

そうですよね。
安易な泣かせ演出に走ること無く、「とある人間」の生き様を客観的に描いてみせてるのが良かったです。
この種の作品で「お涙ちょうだい」やるのって、この映画の主人公と似た境遇の人達に凄く失礼だと思うし。

あ~、撮影は大変だったでしょうねぇ~。
個人的にはバリーとギターの先生のキスシーンに「うぼぉぁっ!」とか思いました(笑)。

2007/02/13 (Tue) 10:57 | EDIT | REPLY |   

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Category: 映画