MILLION MIRRORS-blog-

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最近見た映画色々の感想・16

最近見た映画の中から一部作品の感想。
劇場で見た物とBDやDVDで見た物も混ざってます。


■Automata
2014年スペイン/ブルガリア映画。日本では、2016年の公開予定(2015年から延期)。
監督:ガベ・イバニェス 出演:アントニオ・バンデラス/メラニー・グリフィス

舞台は人類の90%以上が死滅した2044年の地球。ロボティックス会社の保険業者ジャック(アントニオ・バンデラス)はロボットと人間の接触の中で起こる事故やトラブルを調査していたが、ある事故で本来なら有り得ないはずの「ロボットの自傷行為」「ロボットが人間を攻撃した」可能性を発見する。その調査を進めるうちに、、、といった感じのストーリーで、有名なアイザック・アシモフの『ロボット工学三原則』に似たテーマを中心に据え、死滅寸前の人間とロボットの確執を描いたSFスリラー。この手のSF好きにはたまらない雰囲気の世界が楽しめるし、スキンヘッド姿でどこかやさぐれた面持ちのアントニオ・バンデラスが良い。ありがちな設定とストーリー展開を見せる作品ではあるものの、「just machine」とロボットを罵る人間に「just violent ape」と返すシーンが良かった。端的に言うと『ブレードランナー』風な『アイ・ロボット』かも。 最近流行りのAI物が好きならば是非。ってか、何で公開延期なんだよー。




■ナイトクローラー
2014年アメリカ映画。日本では、2015年夏の公開予定。
監督:ダン・ギルロイ 出演:ジェイク・ギレンホール/レネ・ルッソ/ビル・パクストン

2014年アカデミー賞脚本賞ノミネート作品。
舞台は現代のロサンゼルス。「ナイトクローラー」と呼ばれる報道スクープ専門の映像パパラッチの中に潜む狂気を描いた傑作。見ていて胸糞の悪くなるサイコ野郎を演じるジェイク・ギレンホールの怪演が素晴らしい。物語の序盤、軽犯罪を犯しながら職を探している主人公の一見普通に見える笑顔や視線に「どこかおかしい」雰囲気を自然に感じさせる演技が上手く、物語りが進むにつれて彼の中の狂気がじわじわと不気味さを増してくる。「全てはネットで学んだ」と自慢げに知識を披露し、目の前で起る残酷な事件を淡々と撮影しながら挙句の果てには効果的な撮影の為に被害の拡大にまで手を染め始める主人公の姿が、悲惨な事故現場にスマホを持って群がる現代社会の若者達の姿に重なって見える。マスメディアの倫理問題だけで無く現代社会の歪みを描いた緊張感溢れるクライムサスペンスで有りながら、同時にシニカルなブラックコメディでも有るのかも。『ゴーン・ガール』の様な酷い話だけど楽しめる映画で、アンチヒーロー物が好きな方なら必見。




■奪還者
2013年オーストラリア/アメリカ映画。日本では、2015年7月25日公開予定。
監督:デヴィッド・ミショッド 出演:ガイ・ピアース/ロバート・パティンソン

2015年に見た映画の中では、個人的に暫定NO-1の作品。
ごく近未来の経済が崩壊したオーストラリアが舞台。失望に閉ざされ退廃し、暴力がはびこる世界の中で主人公の男が盗まれた愛車を奪い返す為に3人組の男達を追うシンプルなストーリーながら、タランティーノが「マッドマックス以来の傑作」と絶賛してたのも納得の大傑作ロードムービー。希望や救いの一切無い終末世界の中で描かれるのは、全てを諦め絶望の淵に居る男に残された生きる理由と、理由無しでは生きられない男が踏み込んで行く絶望。胸に突き刺さる終盤の展開には泣いた。ガイ・ピアースは流石だったけど、ロバート・パティンソンも凄く良い。ロバート・パティンソンの演じる男はちょっと知的障害が有る風なんだけど、常にキョドってる様が凄く良くて「ミリオンダラーホテル」でトムトムを演じたジェレミー・デイヴィスを思い出す感じ。
容赦の無いバイオレンス映画なので見る人を選ぶものの、薄っぺらい愛や感動を煽る映画に辟易している人には超おススメ。




■チャッピー
2015年アメリカ/メキシコ/南アフリカ映画。日本では、2015年5月23日公開。
監督:ニール・ブロムカンプ 出演:シャールト・コプリー/ヒュー・ジャックマン/ニンジャ/シガーニー・ウィーヴァー

舞台は2016年の南アフリカ。アクシデントにより、ギャングに育てられることになった警官ロボット「チャッピー」が様々なことを学び成長していく姿と、彼をとりまく様々な人間の思惑をスリリングに描いたSFアクション。価値を決めるのは肉体やCPU等の容器の形や色では無くその中の意識(心)であり、それは環境や教育でどの様にも形成され得るという明確なテーマを描きつつもアクションエンタメとして仕上げてるのが流石ブロムカンプ。 同監督作品の『第9地区』と同様にSFらしいガジェットを現代社会のほんの少し延長に溶け込ませる描写も流石だし、外連味たっぷりのアクション演出も良い。 でも同時にラストは、、、ネタバレになるので詳しい理由は書けないけど、あれがブロムカンプの限界なのだとしたらかなり残念。 制作が決まったときから楽しみにしてた作品だし実際に面白いんだけど、彼の作家性は次回作次第だなぁ、、。。チャッピーのデザインがブリアレオスへのオマージュなのは監督自身が公言してたけど、冒頭のドロイドの声がピーター・ウェラーぽいのもオマージュなのかな。 某ロボもED209ぽいし。 ニンジャが使う武器が手裏剣だったりヌンチャクだったりするのには笑った(笑)。興行的には成功していない様だけど、どんな層が見ても楽しめるエンタメ作品なのでおススメ。「クローネンバーグの内臓を備えながらスピルバーグの精神を併せもつハイブリッド」ってブロムカンプ評は凄く的を得てるよね。

chappi.jpg


■オオカミは嘘をつく
2013年イスラエル映画。日本では、2014年11月22日公開。
監督:アハロン・ケシャレス 出演:リオル・アシュケナージ/ツァヒ・グラッド

劇場公開時、タランティーノが「今年のNO-1映画」と大絶賛したイスラエル映画
連続少女殺害事件を捜査する警官と容疑者と被害者の父が、三者三様に予測不能な暴走を見せて行くサスペンス・スリラー。
良質なサスペンスの様に先が読めない展開とホラー映画並みのバイオレンス描写を見せ、途中からオフビートなギャグを挟み込んでくるブラックコメディになって行く。噂通りハリウッド映画では有り得ない不思議な作風で、最後のオチを見た瞬間に「やられた!」と思わされる作品。こりゃ面白い。ちょっとコーエン兄弟に似た物を感じる作風かも。出演者は知らない役者さんばかりだったんだけど、酷い刑事を演じた方がバビエル・バルデムとジェフリー・ディーン・モーガンを足した感じの風貌でカッコ良かった。ちなみにハリウッド・リメイクが決定してるらしく、「予算がー」とかお決まりの言い訳をする邦画関係者さん達には是非見て欲しい一本。

BIG BAD WOLVES


■ケープタウン
2013年フランス/南アフリカ映画。日本では、2014年8月30日公開。
監督:ジェローム・サル 出演:オーランド・ブルーム/フォレスト・ウィテカー

南アフリカの都市ケープタウンで元ラグビー選手の娘が殺害され、その事件を捜査する刑事ブライアン(オーランド・ブルーム)とアリ(フォレスト・ウィテカー)が裏に潜む組織と対峙して行く様を描いた硬派なドラマ。悲哀漂う硬派な物語を描いたバディムービーで、主演のフォレスト・ウィテカーとオーランド・ブルームが凄く良い。特に仲間からクズ呼ばわるされる男臭く粗暴な刑事を演じるO・ブルームが良くて泣かされた。 暴力の日常化している街を舞台に描かれる、差別主義者の父親を許せないでいるブライアンと暗い過去を抱えて生きているアリの悲哀と再生の物語が切なくて重い。強烈かつリアルなバイオレンス描写が連発される上に人間の嫌な部分描いているので非常にヘビーでは有るけど、暴力と差別への「赦し」をテーマに描いた素晴らしい良作。

ZULU.jpg


■ザ・マシーン
2013年イギリス映画。日本では、2014年5月31日公開。
監督:カラドッグ・ジェームズ 出演:ケイティ・ロッツ/ トビー・スティーヴンス

中国との冷戦下にEUが軍事用のサイボーグを開発する中で、完璧なAIを作ろうとした結果、事態が思わぬ方向へ進んでしまう様を描いたSFスリラー。脳を負傷した兵士の脳機能補助にチップを埋め込み完璧なAI開発の実験材料にするアイデアは面白いが、設定やエピソードが未整理で雑。低予算B級なりの味は有るけど演出はチープで失笑してしまうシーンも多く、イギリス映画らしい垢抜けない感じの雰囲気満載。また、「ブレードランナーにもっとも近づいた映画」との煽り文句が有ったけど、近づいてるのはヴァンゲリス風の音楽だけ。でも最初の5分は凄く良いし、B級SFが好きなら楽しめる意外な掘り出し物。

The Machine-1


■ザ・ドロップ
2014年アメリカ映画。日本公開未定。
監督:ミヒャエル・R・ロスカム 出演:トム・ハーディ/ノオミ・ラパス/ジェームズ・ギャンドルフィーニ

ギャングが出入りし闇金保管庫として利用されている酒場で働くバーテンダーのボブ(トム・ハーディ)がマフィアが関わるトラブルに巻き込まれていく様と、彼を取り巻く男達の業を描いたクライムサスペンス。男臭いのに目が優しいトム・ハーディが傷付いた子犬を不器用に可愛がる姿が反則で、朴訥とした寡黙な男の抑えた狂気を見事に演じてて良い。これが遺作のジェームズ・ギャンドルフィーニも良いし、静かに徐々に高まっていく緊張感を丁寧に描いてる演出も凄く良い。ちなみに『ミスティック・リバー』『ゴーン・ベイビー・ゴーン』と同じ原作者の小説の映画化。良作です。アメリカ版BDには日本語字幕と日本語吹き替えも収録されてるので、興味の有る人は是非。

The Drop


■キョンシー
2013年香港映画。日本未公開作品。
監督:ジュノ・マック 制作:清水崇 出演:チン・シュウホウ/クララ・ウェイ

原題RIGOR MORTIS。昔大人気だった『霊幻道士』のリブート作。ホラーというよりはホラー色の強いのモンスターアクションで面白かった。構成が雑で若干分かりにくいが、映像と演出のセンスが凄く良くて、冒頭は若干クリストフ・ガンズのサイレントヒルを思わせる雰囲気で良かった。演出も時々本当にアジアの映画なのか疑いたくなるくらい良いショットが有って驚かされる。これでもう少しアクション演出が上手ければ相当傑作だったのにね。老夫婦のエピソードは切な過ぎていかん(笑)。ただ、あのオチはなぁ、、、、。ホラー風味のバイオレンスアクションが好きなら普通に楽しめる佳作。

Rigor Mortis


■ファントム/開戦前夜
2013アメリカ映画。日本では、2013年10月12日公開。
監督:トッド・ロビンソン 出演:エド・ハリス/デイヴィッド・ドゥカヴニー/ウィリアム・フィクトナー/ランス・ヘンリクセン
東西冷戦状態だった1968年にソ連の潜水艦が作戦行動範囲から大きく逸脱し、ハワイ付近で謎の行動を起こしていた実際の事件を元に描いた軍事スリラー。最後にファンタジーっぽくなるのは若干残念だけど、潜水艦物ならではの緊迫した展開が楽しめる佳作で、エド・ハリス、ウィリアム・フィクトナー、ランス・ヘンリクセンと、無駄に豪華で渋いキャスティングも楽しめる。
潜水艦物にハズレなし!
大事な事なのでもう一回言います。
アメフト物とベースボール物にハズレなし!
あれ?

Phantom.jpg


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