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最近見た映画色々の感想・11

最近見た映画の中から一部作品の感想。
劇場で見た物とBDやDVDで見た物も混ざってます。


■LUCY/ルーシー(2014フランス)
監督・脚本リュック・ベッソン 出演:スカーレット・ヨハンソン/モーガン・フリーマン/チェ・ミンシク

人間は脳の10~15%程度の機能しか使ってないと言われているが、スカーレット・ヨハンソン演じる主役の女性がアクシデントによって脳の機能を100%使える様になっていく姿を描いたSFアクション。安っぽいアクション映画を乱発しているヨーロッパ・コープらしい作品で、御大ベッソンが監督脚本の今作でもそれは同じ。最初の15分は凄く良いし、悪役のチェ・ミンシクの悪役は上手い。でもどんどんチープになって行き前時代的な見せ方のオチで終わる残念な作品。映像表現や作中の様々な部分に「腕の良いプロ達が仕事として流して作った」やっつけ感が漂ってるんだよなぁ、、、。まぁでも、ガンアクションの魅せ方がカッコ良いのは流石だし演出その他の全てがそれなりの完成度で作られた安心して楽しめる娯楽作になってるのは間違いないので、暇な時に気軽に映画を楽しむには良い一本。メイキングでリュック・ベッソンが学者役のモーガン・フリーマンの良い所として「何を言っても説得力が有る」って語ってたのは笑ったw


■複製された男(2014年カナダ)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 出演:ジェイク・ギレンホール/メラニー・ロラン

大学の歴史講師アダム(ジェイク・ギレンホール)は、ある日鑑賞した映画の中に自分と瓜二つの端役の俳優を見つけ興味を持つ。そしてコンタクトを取って会ってみると、「似ている」のでは無く体の傷跡等も同じまるで同一の人物だと判明し、、という様な所から始まるサスペンス。音楽と映像のセンスが良く、それによって醸し出されている『マシニスト』を彷彿とさせる陰鬱な雰囲気は悪くないし、ストーリーの軸になる設定には興味を惹かれる。脚本の完成度は高く、監督の演出もセンスが良いと思う。でも、その興味を惹かれる謎の落とし所が「どや!」と言われてる感じのあざとさが鼻につく。また、作中に色々と散りばめられたヒントは、謎が解けた後には「なるほど」と思える物になってるのだけど、鑑賞者を引き込む物語りとしての力が弱いので「謎が解ける」事がカタルシスに繋がって行かないのがやや残念。明確なカタルシスやオチの説明は皆無な作品だけど、先の読めない意外な展開を見せる映画が好きな人にはおススメ


■もらとりあむタマ子(2013日本)
監督:山下敦弘 出演:前田敦子/康すおん/富田靖子

自立できない駄目な娘と子離れできない父とのごく普通の日常を描き、独特の間とのんびりとしながらもリアルでユーモアの有る会話で飽きさせずに魅せてくれる佳作コメディ。「これ以上長いと退屈になる」ギリギリ一歩手前のラインでアクションを起こさせる「間」が巧い。また、露骨な説明台詞やエピソード描写は無いものの、主人公タマ子の食べてる物や会話シーンでの態度など、細かい演出で心境や状況の変化を見せてるのも巧い。物語としての明確なカタルシスは無く展開の起伏も皆無に等しいが、ずっと見ていられる柔らかで優しい世界が心地良かった。「感動する」様な物語では無く、見ていて「愛おしくなる」種の作品だと思う。AKBに興味が無くテレビも全く見ない自分にとっては主演の前田敦子さんの動いている姿は初体験だったのだけど、だらしない娘を好演していて良かったし、10年後には素晴らしい女優になっている気がする。富田靖子さんも凄く綺麗だった。残念なのは、スタッフロール後の蛇足なカット。せっかく良い作品なのに、あれをやってしまうと凡百の「アイドルプロモーション映画」になってしまうと思うんだけどなぁ、、、、勿体無い。でも自分はこの作品がかなり気に入ったので、山下敦弘さんの他の監督作品も鑑賞してみるつもり。ジャームッシュ作品が好きな人なら気に入るかも。


■アルゴ(2012アメリカ)
監督:ベン・アフレック 出演:ベン・アフレック/ブライアン・クランストンアラン・アーキン/ジョン・グッドマン

近年まで機密扱いされていた、1979年に実際にイランで起きたアメリカ大使館人質事件を描いたサスペンス映画で、アカデミー等の各映画祭で作品賞や監督賞を多数獲得した作品。イランでの公開処刑から6人の大使館員を救う為に、CIAが架空の「SF映画を制作をする為のロケを行う」という救出作戦を実行していく様を緻密かつ緊張感たっぷりに描ききった監督ベン・アフレックの手腕が光る。彼の監督作品『ザ・タウン』鑑賞時にも感じたのだけど、非常に丁寧かつ真面目に映画を撮る人だなぁという印象で、演出の取捨選択がセンス抜群だと思う。「クリント・イーストウッドの後継者」と言われるのも納得。今作では、スピード感を落とす事無く細かいエピソードを畳み掛ける様に見せて行く後半の展開が絶妙で、ダレる事なく最後まで判り易く物語を見せてくれる。劇中の台詞「偉そうにするばかりで何もできない野郎はハリウッドにいっぱい居る」「馬鹿でも映画監督ができる」等の台詞も合わせて考えると、真面目に映画という物を愛してる男なんでしょうね。決して表舞台に出る事の無かったCIA局員達への敬意を払いつつ、葬り去られた映画への愛情を感じさせるラストも凄く良かった。作戦終了後、アラン・アーキン演じる監督の言い放った「アルゴ、ファ○ックユアセルフ!」の台詞がカッコ良くて痺れる。ポリティカルな部分とエンタメ性のバランスも程よい感じだし、おススメの作品。


■ディアトロフ・インシデント(2012イギリス/ロシア)
監督:レニー・ハーリン 出演:ホリー・ゴス/マット・ストーキー

1959年に旧ソ連のウラル山脈で学生登山グループの9人が謎の死を遂げた実在の怪死事件を取材に行く事になったアメリカ人達が直面する驚愕の真実を(という体裁で)描いたPOV方式(一人称主観)の低予算映画。 ロシア版「エリア51」と呼ばれる実在のディアトロフ峠事件を取材する5人を追ったサスペンスホラーで、エリア51だの宇宙人による誘拐事件だの、その手の話が好きな人なら楽しめる作品。腐ってもレニー・ハーリンで、複線の回収等よくできてるけど肝心の恐怖演出がイマイチ。ディアトロフ峠事件を調べると、本当に色々と不思議なんだよねぇ、、、、。やはり定番の台詞「おそロシア」が頭に浮かんでしまうw


■チョコレートドーナツ(2012アメリカ)
監督・脚本:トラヴィス・ファイン 出演: アラン・カミング/ギャレット・ディラハント/アイザック・レイヴァ

同性愛に対しての差別と偏見が強かった1970年代のアメリカでの実話を元にしているらしく、母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコを引き取り息子のように育てようと決意したゲイのカップルを描いた話。設定だけ聞くと日本人の大好きな「お涙頂戴映画」の様だけど、実際は世間の差別や偏見と戦う家族を描いた社会派ドラマで、親権を争う法廷を描いた時間が長い。アラン・カミングの熱演が素晴らしくて、自分を守る為の鎧の様であったメイクと衣装を捨て、素の自分のままの姿で「戦い続けていく」と熱唱する終盤の彼が涙せずには見られない。これが実話ベースの話だというのが切ないなぁ。落ち着いて鑑賞できるミニシアター系の映画が好きな方には凄くおススメ。


■モンスター・トーナメント(2011カナダ)
監督:ジェシー・T・クック 出演:デイヴ・フォーリー/ロバート・メイレット

ミイラ男、ヴァンパイア、ゾンビ、フランケンシュタイン、サイクロプス、ウィッチ、スワンプ・ガット、オオカミ狼男ら、伝説のモンスター達が終結し、プロレスで戦うという超馬鹿ホラーコメディ。WWE(アメリカのプロレス)とB級ホラーが好きなら笑える作品で、自分は最初から最後までクスクス笑えて楽しめた。エンドロールで確認できたキャスト中、ケビン・ナッシュは良い味出してたけど、ランス・ヘンリクセンはどこに出てたのか分からなかったなぁ。フランケン・シュタインが最初「ファザー」しか発言しないのは、デ・ニーロ版フランケンシュタインのパロディなのかな?だとしたら「名前すら与えてくれなかった」とか言って欲しかったけどwただ、クローズラインのシーンで「エルボー」って訳したり「スピアー」って解説の台詞を無視してた字幕は残念。ジェイソン&フレディとか出して続編作って欲しい。


■アフタースクール(2008日本)
監督・脚本:内田けんじ 出演:大泉洋/佐々木蔵之介/堺雅人/常盤貴子

怪しげな探偵と一緒に中学時代の親友を探す事になった主人公が、ヤクザ等が関わる面倒な話に巻き込まれて行く様を描いたサスペンスコメディ。内田けんじさんの練り込まれた脚本が巧くて、先の読めない展開と複線回収が気持ち良い。前半と後半でまったく違う展開を見せる構成が上手く、これほど「先の読めない」展開を見せる作品も珍しいと思う。でも、同氏の『鍵泥棒のメソッド』も同様だけど、展開やキャラにもう少しパンチが有ればもっと面白くなる気がして勿体無い。どんでん返しを見せられた後の謎解きで得られるカタルシスが弱いんだよね。せっかく上手いのに勿体無い。もっとハジけた設定の中でこの巧さを魅せて欲しい。


■ザ・バッド(2008アメリカ)
監督:ピート・ヒューイット 出演:クリストファー・ウォーケン/モーガン・フリーマン/ウィリアム・H・メイシー

美術品をこよなく愛する警備員たちが、近々売却されてしまう事になった美術品を盗み出す事を決意し入念な作戦を立てるが、、、。日本未公開作品。 サスペンスアクションの様なパッケージだけど、実際はほのぼのとしたB級クライムコメディ。ベテラン出演陣が皆良い味を出してて、相変わらず捨てられた子犬の様な目をしてるウィリアム・H・メイシーが、やたらと全裸に、、、(笑)。派手なアクションや意外な展開等、これといったセールスポイントは無いもののクリストファー・ウォーケンのファンなら、彼のチャーミングな表情を堪能でき心地よい余韻が残る良作。自分はこういう映画大好き。


■運命じゃない人(2004日本)
監督・脚本:内田けんじ 出演:中村靖日/霧島れいか/山中聡

『鍵泥棒のメソッド』『アフタースクール』で巧みなシナリオを見せている内田けんじさんの長編デビュー作。ある一日を三人の主要登場人物それぞれの視点で描いており、最初の主役視点ではシンプルだった話が裏側では実は複雑な事情の絡み合った物語であった事が判明していく流れが面白い。とにかく巧みな設定とそれを綺麗に描いてみせる脚本が上手くて、並のハリウッドサスペンス映画なんて比較にならない完成度の高さ。個人的には、内田けんじさんの作品で一番面白かった。ただやはり、氏の他の作品同様にダイナミズムとか大きなカタルシスを呼ぶパンチ力に欠ける感じは否めないけど、日本人監督の中では新作が楽しみな方。ところで、女性に対してはやたらと冷めた視線を感じる作風なのは意図しての事なんだろうか。


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