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最近見た映画色々の感想・5

最近、自宅で鑑賞した映画(DVD等)の感想色々。


■『桐島、部活やめるってよ』(2012年日本)
冒頭は、マルチカメラによる撮影で高校生達の「金曜日」が色々な視点で繰り返される。そしてそこから次第にヒエラルキーと人間関係・恋愛関係等が明らかになって行くが、バレー部のエースで女子生徒の憧れの的である「桐島」が突然、部活をやめる事になり、高校内のヒエラルキーが崩壊して行く。その中で色々なドラマが描かれており、まずは演技が凄く良かった。出演者全員が凄く自然な演技をしてて、全部アドリブなんじゃないかと感じる程。何でもこなせるイケメンで有りながら、部活もせず無気力な毎日を送っている「宏樹」が、8ミリで映画を撮る事に夢中で大人しく女子にも馬鹿にされがちな「涼也」へ尋ねる。「将来は映画監督?アカデミー賞?」。それに対しての涼也の回答と、その後の宏樹の涙が物凄く良かった。そして、「桐島」への携帯の呼び出し音が響く中、「必死で練習する野球部員達の音しか耳に入って来なくなる」涼也をフォーカスしたシーンも良かった。こんなに感動した邦画は久しぶりだし、邦画史に残る屈指の名作だと思う。おススメ。


■『ジャッジ・ドレッド』(2012年イギリス/南アフリカ)
95年にシルヴェスター・スタローン主演で映画化されたイギリスの人気コミック・ヒーロー物『ジャッジ・ドレッド』を再び映像化した作品。暴力に対し、それを上回る暴力で血の海を築きながらドヤ顔で「正義」面をするという典型的な馬鹿アクション映画(褒め言葉)。カール・アーバン演じるジャッジ・ドレッドは、主役でありながらマスクを一度も外さず、言動も見た目も無個性のまま「正義」を執行するというドライな描き方に好感が持てた。おかげで、扇情的な演出や心理描写が皆無なのに、ヒロインの新人ジャッジとマフィアの女ボス「ママ」の魅力が引き出されてたのは、狙った演出なら巧いと思う。でも、「高層ビルの最上階に居るマフィアのボスに立ち向かう」という、まるで『ザ・レイド』そのままなストーリー展開で有りながらも、アクション映画としては『ザ・レイド』に遠く及ばず、「スーパーヒーロの無双アクション」としてはスタローン版に及ばない印象。カール・アーバンって結構好きな俳優なので鑑賞したんだけど、ヒロインを演じたオリヴィア・サールビーが物凄く可愛くて今後要チェック女優の一人に。


■『鍵泥棒のメソッド』(2012年日本)
記憶喪失になった殺し屋と、自殺未遂をおかした売れない貧乏役者が互いの人生を入れ替えトラブルに巻き込まれて行く様をコメディタッチで描いている作品。とりわけ珍しい訳でも無い「人生入れ替わり」のプロットを、面白く爽快感のある話として描いてる脚本が巧い。伏線の処理の仕方や登場人物の設定も面白くて、主役二人に絡む「婚活中の真面目な女編集長」のキャラも凄く良かった。主演の香川照之さんが相変わらず巧いのは言うまでも無く、女編集長を演じた広末さんも好演だったと思う。笑いとちょっとした感動を呼ぶラストも凄く良かった。ただ、監督と脚本を兼ねている内田けんじさんは、ストーリーテリングの技術の高さに演出力が追いついていない印象を受けるのが少し残念。また、「物語を見せる」事に目が行き過ぎて、登場人物の描き方に薄っぺらさを感じてしまう点も勿体無い。パンチ力重視で、もっとコミック的な演出に徹しても良かった気がする。でもかなり面白い作品なのでおススメ。


■『21ジャンプストリート』(2012年アメリカ)
日本未公開映画。ジョニー・デップが初主演した同名のテレビドラマを映画としてリメイクした作品で、ドラッグ捜査の為に高校へ潜入した新米警官二人のドタバタ騒動を中心に描いたコメディタッチのバディムービー。『マネーボール』でアカデミー助演男優賞にノミネートされたジョナ・ヒルが主演と共同脚本、相棒に『G.I.ジョー』のチャニング・テイタム。演出や脚本にキレの無さが目立つものの、バディムービーとしての基本をしっかり踏襲してあって楽しめる作品。大団円なラストも良かった。重要な場面でジョニー・デップがカメオ出演してるのにはビックリ。自分の出世作のリメイクとは言え、こんな低予算映画にカメオ出演するなんて、噂通り良い人なんだろうなぁ。既に続編製作も決定してるらしいので、次は日本でも劇場公開して欲しい。


■『ほしのこえ』(2002年日本)
新海誠さんが脚本・作画・編集など、音(声)以外のほとんど全てを一人で作ったアニメ作品。他に類を見ないクオリティのインディーズアニメとして絶賛された作品である事も納得の完成度で、その情熱とセンスには驚かされる。でも、それを別として単純に一本の作品として観ると、色々と薄っぺらい印象を受けてしまう。鮮やかな色と光を使った美術は綺麗だけど、温かみや空気感に乏しく、「美しい」自然の花をステンレスで「綺麗」に作って見せられている様な印象を受ける。綺麗と美しいは違うんだよね。コミュニケーションツールとしての携帯のメールを軸に、時間や距離という物理的な距離感の裏に共有できない想いや、高度なテクノロジーの裏の人の想い描いてるのは巧いと思うが、肝心のドラマが、終始感傷的なモノローグを見せられているだけになってしまってるのが残念。でもセンスがずば抜けている事は間違い無いので、新海誠さんの他の作品も鑑賞してみるつもり。


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最近見た映画色々の感想・Ⅲ
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Category: 映画