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最近見た映画色々の感想・4

ここ数日の間、自宅で見たDVDやブルーレイの映画の感想色々。


■『アポロ18』(2011年アメリカ)
月への有人飛行計画「アポロ」は17号を最後に打ち切られたが、実はその後も極秘裏に月へ宇宙船を送っていた、、、という仮定の下に作られたSFスリラー。映画の体裁は「ネット上に流出したNASAの極秘映像を編集した」というもので、低予算ホラーによくある手法「似非ドキュメント」をSFでやってみた感じか。テーマや設定は悪くないのに、肝心の「月面上の謎」が鼻から紅茶を吹き出すレベルのチープさ。これならまだ、ヴァル・キルマー主演の『レッドプラネット』の方がマシ。演出等の映像面は悪くないんだけど、こんな脚本で企画通ったのが不思議なレベル。


■『マチェーテ』(2010年アメリカ)
愛すべき映画馬鹿ロバート・ロドリゲスが趣味全開で撮った最強の馬鹿映画(褒め言葉)。主演がダニー・トレホで、それをサポートする「カッコいい兄」がチーチ・マリンって、、、この組み合わせだけで爆笑した(笑)。しかもミシェル・ロドリゲスは「またそんな役か!」だし、このメインキャストに対する悪役にロバート・デニーロを配し、出演する映画の中で常に無敵で怪我すらしないスティーブン・セガールが悪役だもの。最強の強面ダニー・トレホが何故か女性にモテまくりで、なんとジェシカ・アルバとのキスシーンまで有るし、、。こんな映画を撮り、しかも既に続編の製作も決定してるあたり、やりたい放題する為にわざわざ自分で映画スタジオ「トラブルメーカー」を作ったロドリゲスの面目躍如なのかもしれない。そもそも、スタジオ名がリアルだしなぁ(笑)。彼には今後も是非、こういう路線で突っ走って欲しい。もちろん、時々は『プレデターズ』の様なブロックバスター映画を手がけて資金作りも忘れずに(笑)。


■『ヴァンパイア』(2011年日本)
繊細で美しい映像と詩的な語り口で独特の作風を持つ岩井俊二監督の最新作。自殺志願者が集うサイトを使い、自殺を手伝った後に「血」を持ち帰るヴァンパイアを描いた話。ヴァンパイアを軸にしつつも、その実は「死を選ばざるを得なかった」人達の切ない最後の「他者との繋がり」と、人の死に直面する事でしか自分の生を肯定できない孤独に沈んだ青年との交流を描いた話。冒頭の雨上がり後の青い町や森の映像は美しく、蒼井優さんも凄く良かった。でも肝心の作品は、「孤独という名のナルシズム」に埋没して酔いしれてる猟奇殺人鬼を描いてるに過ぎないという印象。いくつか胸に刺さる台詞も有ったしテーマや作風自体は凄く好きなんだけど、岩井監督の自慰的なカラーが余りにも全面に出すぎてて心に響いて来ない。


■『ソード・ロワイヤル』(2010中国)
予告とパッケージに騙された。何だコリャ。予告動画やパッケージ解説から想像した「ワイヤーアクションやSFX全開の剣戟アクション映画」かと思いきや、実際は料理人と肉屋のドタバタ騒動を描いたコメディ映画。数秒に一回切り替わる異常なまでに細かいカット割と、ただひたすら騒いでるだけのコメディ表現が苦痛でしか無く、最後まで鑑賞するのにこんなに忍耐力が必要だった映画は久しぶり。良かったのは、主演の安藤政信さんがカッコ良かった事くらいかな、、。感想を書くつもりも無かったんだけど、自分と同じ様にパッケージに騙されて観る犠牲者が増えない様にあえて感想をアップ(笑)。


■『ドライヴ』(2011アメリカ)
カンヌ国際映画祭やアカデミー賞など、世界各地の映画祭で多数受賞しているのも納得の良作。昼はスタントマンのバイトをしながら車の修理工場で働き夜は強盗を逃亡させるドライバーを生業にしている男が、「プロのレーシングドライバー」という夢を目前にしながらも、恋した女性の為に全てを捨てて血生臭い殺し合いに身を投じて行く話。主人公がとにかく無口で、その感情を抑えた言動がスタイリッシュで落ち着いた画面作りとマッチしていて痺れる程にカッコ良い。「西部劇の古典かつ王道」を現代風にクールにアレンジした映画と言えば分かり易いかもしれない。容赦の無い過激なバイオレンス描写は観る人を選ぶものの、「無口な男が愛する女の為に命を張り、そして何も言わずに女の元を去って行く」という、ほろ苦くて哀愁漂う話が好きな人には必見。個人的には、アカデミー作品賞を受賞した『トゥルー・グリット』より好き。


■『ザ・タウン』(2010年アメリカ)
『アルゴ』でアカデミーを受賞し、監督としての腕が本物である事を証明してみせたベン・アフレック監督主演による2010年の作品。父親と同じ道を進み、幼馴染み達と銀行強盗を繰り返す日々から抜け出そうと苦悩する青年を手堅く丁寧な演出で描いてて、最後までダレずに鑑賞できる佳作。若干うっとおしさを感じる細かいカット割りやストーリー展開に粗い部分があるものの、俳優陣の好演がそれをカバーしており、特にジェレミー・レナーのイカレ具合が素晴らしかった。最後まで意地を貫き通す荒くれ者っぷりがカッコ良いんだよなぁ。故ピート・ポスルスウェイトの怪優ぶりも素晴らしく、彼の演じた花屋が怖かった。『ヒート』みたいな骨太なクライムアクションが好きな人や、マイケル・マン監督作品の様な硬派なカラーが好きな人なら必見。


■『リンカーン/秘密の書』(2012年アメリカ)
『ウォンテッド』『ナイト・ウォッチ』のティムール・ベクマンベトフ監督が、誰もが知るアメリカの大統領リンカーンは「ヴァンパイア・ハンター」だったという仮定で歴史を見せて行く物語。「一人の超人では世界を救えない」というスーパーヒーロー物には付き物のジレンマを、「ヴァンパイアを狩るハンター」が「世界を変える大統領」への道を進んで行く様に絡めた物語構成が上手い。また、アクションシーンでの効果的なスローの多用や移動する物からの主観視点等、独特の映像センスは相変わらず素晴らしい。構図やアングルも凝っており、ビジュアルイメージにこだわりの強い監督である印象は相変わらずだが、そこが逆に欠点にも成ってしまっている印象。もっと「人」(役者)の魅力を引き出す演出を取り入れて行けば、更に良い作品になる様な気がする。作品としての欠点もまさにそこで、どうにもドラマが薄っぺらいし、登場人物達が皆いまひとつ魅力的に見えない。『ウォンテッド』が好きな人にはおススメ。


最近見た映画色々の感想・Ⅲ
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最近見た映画色々の感想・Ⅱ
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最近見た映画色々の感想
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2012年公開映画ベスト20
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最近見た映画の感想色々
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NASAが選んだベストSF映画
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映画の感想、約400本
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Category: 映画