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『クラウドアトラス』を観た感想

監督 ウォシャウスキー姉弟/トム・ティクヴァ
出演 トム・ハンクス/ハル・ベリー/ジム・ブロードベント/ペ・ドゥナ


SF映画史に名を刻む名作『マトリクス』の監督、ウォシャウスキー姉弟の最新作。
主演が大嫌いな俳優なのを我慢して劇場へ足を運びました。

1849年の南太平洋、1936年のスコットランド、1973年のサンフランシスコ、2012年のイングランド、2144年のネオ・ソウル、そして、文明が失われてしまった超未来。
この六つの時代それぞれで物語が同時進行し、様々な絡み合いを見せながら一つの結末へと収束していく。

壮大なスケールで「愛」「自由」を描きつつ人々の繋がりや輪廻転生を描いてる部分も有り、東洋的思想の影響を感じる作品。
六つの時代をバラバラに描き複雑な構成で語る172分を飽きさせずに魅せきる演出は見事だし、未来都市の造形やちょっとしたアクション描写などの演出の安定感は流石。
SFX関係も流石ウォシャウスキー姉弟作品といった感じで、それぞれの役者が異なった複数の人物を演じてるのに、完成度の高い特殊メイクのおかげで同一人物だと気付かない事も多かった。

俳優陣では、クローン人間を演じたペ・ドゥナが良かった。
彼女が主演した『空気人形』は好きな作品なので、それがこの大役を得るきっかけになっていたのなら嬉しいし、作中で語られる色々な愛の形の中でクローン人間のエピソードが個人的に一番好き。
ヒューゴ・ウィービングやヒュー・グラントも良かった。
昔は一部の女性に物凄い人気だった色男ヒュー・グラントも、さすがに老けましたねぇ、、。
ヒュー・グラントって、「イケメン」って感じじゃなくて、「色男」って雰囲気なんですよね。
どこかネットリした感じがするというか、、(笑)。

ただ、映画として面白いか?と言うと、やりたかった事は分かるけど、どうにもまとまりに欠ける感が否めない。
数々のエピソードや演出に関しても、これは必要だったのか?と感じてしまう部分が多々有るし、ストーリーを伝える為の様々な取捨選択が甘く、なんとなく全てがウヤムヤになったままエンディングを迎えてしまう印象を受ける。
演出は流石なんだけど、脚本の練りこみが甘かったのかなぁ、、、。

スケール感は凄いし、プロの映画職人達が作る娯楽大作としての完成度は高いので、予告を見て興味を引かれた方なら観て損はない作品だと思いますが、個人的には、こういう「人の繋がり」を描いた作品ならば『マグノリア』の方が段違いに優れた作品だと思うし、クローン人間のエピソードの切なさならば、やっぱり『空気人形』の方が遥かに好き。

それにしても、ウォシャウスキー姉弟はデビュー作『バウンド』や出世作『マトリクス』を超える作品を作れないですねぇ、、、。
次回は初心に戻って『バウンド』みたいな作品撮って欲しい。

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Category: 映画