MILLION MIRRORS-blog-

自作のイラストや漫画、映画の感想等が中心です。

最近見た映画色々の感想・Ⅱ

ここ数日の間、自宅で見たDVDやブルーレイの映画の感想色々。

前回のはこちら
http://graton.blog75.fc2.com/blog-entry-1087.html


■『アルティメット』(2004年フランス)
近年は自身で監督をせず、安っぽいアクション映画を乱造している感の有るリュック・ベッソン製作の作品。でもこの映画はなかなか良かった。基本的には格闘アクションを描いているだけの映画なんだけど、主人公の二人がビルの屋上から屋上へ飛び移ったり狭い路地を巧く活用した移動術を見せたりと、アクロバティックなアクションをスピーディに魅せてくれる。これがCGやワイヤー無しだというのが凄い。ストーリーは無いも同然ながら、終盤にちょっとしたドンデン返し的なオチも用意されていて鑑賞後に良い余韻を残してくれる秀作。『マッハ!』『ザ・レイド』みたいな映画が好きな人には凄くおススメ。


■『アルティメット2』(2009年フランス)
「駄目な続編」を絵に描いた様な作品。こりゃ酷い。調べてみたら、監督はこれが二作目の監督作品で、一作目はブラックなコメディ映画、、、。『アルティメット』の監督に続投させず、明らかに不向きなこの監督に撮らせたのか意味不明。一作目で凄かったアクションは控え目になり、前回はちょっとしたスパイス程度に織り込まれていた「腐敗官僚の暗躍」が物語の主軸になっている始末。しかも物語の見せ方がお粗末で、リズムの悪い進行と緊張感の無い演出の垂れ流しに危うく眠りそうに、、、。ちなみに副題(邦題)は『マッスル・ネバー・ダイ』。いや、完全に作品死んじゃってますけど。


■『クーリエ/タイムリミット60HOURS』(2011年アメリカ)
プロの運び屋「クーリエ」が、伝説の殺し屋「イーヴル・シヴル」へ謎の荷物を運ぶ話。60時間以内という制限の中、どんどん深まって行く「イーヴル・シヴル」の正体の謎と、FBIや暗黒街の殺し屋達が絡んで来る様をハードボイルドな空気感で描いていて凄く良かった。主役を演じた「ジェフリー・ディーン・モーガン」がカッコ良過ぎ。また、ティル・シュヴァイガーやミッキー・ロークと、共演陣も渋い。残念だったのは、最初から終始説明不足過ぎる事と、各エピソードやアクションシーン同士の繋がりの描き方が雑な事。鏡に映ったクーリエの姿や回想シーンでの換気扇の描写等、『エンゼルハート』を彷彿とさせるシーンが有ったんだけど、メイキングで監督が「この作品はスリラー映画へのオマージュ」だと語ってたのを観て納得。監督、ハニ・アブ・アサドの次回作が凄く楽しみ。


■『シーサイドモーテル』(2010年日本)
山奥のホテルの四つの部屋で、十一人の男女が繰り広げる騙し合いを描いたコメディタッチのドラマ。こういう趣の邦画は大好きなので楽しめたけど、残念な部分も多かった。洒落た演出や馬鹿馬鹿しい味のあるキャラ達の設定は良かったんだけど、もっとインパクトの有るミスディレクションを盛り込むか、各部屋でのエピソード同士の関連性を強くするか、、、そういう「後一押し」が足りなかったのが一番残念。この辺り、若き日のタランティーノって天才的なんだよなぁ。でも、この監督のガイ・リッチーを思わせる映像センスは凄く好きなので、もう少し脚本の練りこみや構成の完成度を上げた作品を撮ってくれる日が楽しみ。


■『ハングオーバー2』(2011年アメリカ)
正式なタイトルは『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』。長いよ。強烈な二日酔いのおかげでドタバタ騒動を巻き起こす三人組を描いたコメディの続編で、前回とまったく同じ作りになっているのが長所で有り短所でも有るといった感じ。前回はラスベガスだった舞台をタイのバンコクへ移し、全く同じ流れで物語が紡がれているので、前回を楽しめた人には安心して楽しめる作品。ただし、一作目のリメイクとも言えるレベルの作りなので、新鮮な楽しみは皆無。三作目も製作中らしいので楽しみ。


■『デンジャラス・ラン』(2012年アメリカ)
デンゼル・ワシントン演じる元CIA凄腕エージェントと、CIAの新米職員(ライアン・レイノルズ)が繰り広げる逃走劇を描いた作品。原題は『SAFE HOUSE』で、CIAが重要参考人を保護(もしくは監禁)する為に世界各地に設けている隠れ家(SAFE HOUSE)に焦点を当てた作品。腐る程の数、延々と作り続けられる凡庸なハリウッドアクション映画の一つに過ぎないレベルでは有るけど、それなりのクオリティなので時間を無駄に感じる事は無い作品。しかし、『テッド』でライアン・レイノルズがゲイ役を演じたせいで、彼がデンゼル・ワシントンを追う様が、別の意味でデンジャラスに見えて困った(笑)。


■『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』(2011年アメリカ)
誰もが知る有名な「三銃士」を題材にした、いかにもポール・W・S・アンダーソン監督らしいポップコーンムービーで、全てが及第点レベルで特筆するところの無い凡庸なアクション映画。彼の『イベント・ホライゾン』(1997)は面白い作品だったのに、最近は安っぽいアクション映画職人と化してるのが残念。ただ、キャストが意味不明に豪華なので、役者を見て楽しむには良い作品。ミラ・ジョヴォヴィッチとオーランド・ブルームはどうでも良いんだけど、クリストフ・ヴァルツ、マッツ・ミケルセン、ティル・シュバイガー、ルーク・エヴァンスと、脇を固める俳優陣が無駄にカッコ良過ぎ。


■『パンズ・ラビリンス』(2006年メキシコ他)
『ブレイド2』『ヘルボーイ』のギレルモ・デル・トロ監督によるダークファンタジーの傑作として名高いので凄く気になってたんだけど、巨大な虫が出てくるのを知ってたので敬遠していた作品。案の定、巨大な虫やら気持ち悪いクリーチャーやら出て来て、虫が苦手な自分には少々辛かった。人間サイズのゴキブリもどきが人間を襲う『ミミック』でハリウッドデビューを飾ったデル・トロの趣味炸裂な感じ。でも映画としては凄く良かった。過酷な戦時下、幻想の世界に逃避しようとする少女の見るファンタジー世界に描かれるクリーチャー等の造形や映像のセンスが素晴らしい。また、グロテスクだけど美しく、残酷だけど儚く温かい物語も良かった。肝心な部分がことごとく意図的にボカされていたり物語としての奥深さには欠けるものの、文字通りの「ダークファンタジー」としての完成度が非常に高い作品。


■『まほろ駅前多田便利軒』(2011年日本)
松田龍平と瑛太が演じる主役二人が、便利屋として日々を送る様を淡々と描いたコメディタッチのヒューマンドラマ。日常生活の中に起きるちょっとした非日常を軸に、主役二人の抱える「寂しさ」を押し付けがましくない距離感で描いて見せている作品で、主役二人の捻くれたキャラ設定と、それを自然に演じてみせる松田龍平と瑛太が凄く良かった。描き方は違うけど、視点は『バベル』『21グラム』のイニャリトゥ監督作と共通する物を感じさせる優しく温かい作品で、実写の邦画としてならここ数年に観た作品の中で一番好き。瑛太「何じゃこりゃぁ!」松田龍平「誰それ?全然似て無ぇ」には笑った。

0 Comments

Leave a comment

You may also like

Category: 映画