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『ジャンゴ 繋がれざる者』を観た感想

監督 クエンティン・タランティーノ
出演 ジェイミー・フォックス/クリストフ・ヴァルツ/レオナルド・ディカプリオ/サミュエル・L・ジャクソン


舞台は、奴隷制度の残る19世紀中期のアメリカ南部。
奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は旅の歯科医キング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)の力添えによって自由の身となり、共に賞金稼ぎとして旅をする事になる。
そんな中、ジャンゴの妻が大農園の領主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)の元で奴隷として従属している事を知り、救出への作戦を練る事になるが、、、。

第85回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、脚本賞と助演男優賞(クリストフ・ヴァルツ)を受賞した作品。
タランティーノは昔から大好きな監督なので劇場で鑑賞して来ました。

愛すべき映画馬鹿クエンティン・タランティーノが、自身のマカロニウエスタンへの偏愛ぶりを描いた作品で、オリジナルの『ジャンゴ』(1966年、邦題:続・荒野の用心棒)でジャンゴを演じたフランコ・ネロをジェイミー・フォックスと対面させたりと、相変わらずの映画オタクっぷりを炸裂させてます。
こっそりドン・ジョンソンを出演させたり、自身で出演してお馬鹿な様を見せたり、無駄にグロい描写を入れたり、、、、この辺りは何年経っても変わらないですね、この人(笑)。


2時間45分という長い上映時間を感じさせずあっと言う間にクライマックスまで見せてしまう演出は流石だし、人種差別というテーマを扱いつつも勧善懲悪の王道娯楽映画に仕上げてるのも流石。
変なメイクで卑屈ないやらしい執事を演じたサミュエル・L・ジャクソンや、まるで暴君の様な領主を熱演してたディカプリオら演技陣も素晴らしかった。
中でも、クリストフ・ヴァルツは圧倒的な存在感で、彼の演じたシュルツのキャラが凄く魅力的で良かったです。
終盤の握手を拒否するシーンとか、鬼の様にカッコ良くて痺れました。

また、クライマックスでの銃撃戦は凄く迫力が有ったし、タランティーノ映画独特のカラーが有る事を除けば、娯楽ウエスタン映画としてはほとんど非の打ち所が無いんじゃないかと感じる作品でした。


ただ、個人的には、、、やっぱり昔の彼の作品の方が好きなんですよねぇ。
前作の『イングロリアス・バスターズ』(2009年)の感想でも書きましたが、彼の近年の映画ってどんどん洗練されて完成度が上がってきてるんだけど、でも同時に昔の彼の作品に有った様なパワーが失われて来てる気がしちゃうんですよね。

昔の彼の作品は、そのほとんどが人物同士の関係性が複雑で、なおかつ時間軸をずらして描いたりと脚本が凄く作りこまれてたんだけど、最近の作品はどんどんシンプルになって来てるし、魅せ方を変えたセルフカバーを繰り返してるだけに見えてしまう。
実際、『イングロリアス・バスターズ』の後に、「パルプフィクションの脚本を見ながら、見せ場等の流れを作って行った」って語ってましたし、、、。
今回のジャンゴもこの作品単体で観ると面白いんだけど、クライマックス辺りの演出の運び方が『イングロリアス・バスターズ』そっくりなんですよねぇ。
彼の監督作なら、『レザボアドッグス』(1991年)や『パルプ・フィクション』(1994年)、『フォー・ルームス』(1995年)の方が好きだし、脚本作なら『トゥルー・ロマンス』(1993年)の方が好き。

まぁ、今の彼は「ヒットさせる事」が最重要視されるレベルの監督になってるので仕方ないのは理解できるんだけど、でもそこでたまには盟友ロドリゲスみたいな「ヒットする訳無いだろ」って映画を撮る気概を見せてくれると嬉しいんだけどなぁ(笑)。

タランティーノ作品独特のカラーが苦手な方にはお勧めできないけど、アクション映画が好きでタランティーノ節が平気な人なら楽しめる作品だと思います。


余談。
ディカプリオってたまに違和感のある演技をする事が有るんだけど、今回の作中で手から流れる血をヒロインの顔にこすりつけるシーンがそれでした。
テーブルを何度も叩いてるうちに出血したんだろうけど、でも、もしそうなら手を切るカットが入ってるべきだし、それ無しで突然流血してたので違和感有ったんですよね。
で、調べてみたら、テーブルを叩いてるうちにグラスを手で割ってしまって、本当に流血してしまったんだそうです。
それで、そのままアドリブで演技を続けたら本番テイクとして使われたのだそうで、、、なかなかの熱演っぷり。
昔はアイドルだったけど、年々良い俳優になって来てますよね。

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Category: 映画