MILLION MIRRORS-blog-

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硫黄島からの手紙

クリント・イーストウッド監督の超話題作を観てきました。


うーん、良い映画ではあるけど過去の戦争映画の名作・傑作を越えるまでには到って無いって印象。「人間を描いたドラマ」として観るなら、同監督の「ミリオンダラー・ベイビー」に遠く及ばない。

丁寧な演出と迫力のある映像、そして戦争を中立かつ公平な目で描き見る側に考えさせる作りは良かったと思う。

でも中途半端なんだよなぁ。
徹底したドキュメンタリー風に撮られている分けでも無く、かといって映画的なカタルシスを感じさせる娯楽作品には成っていない。
歴史的現実を真正面から再現した作品にするなら、作品の方々に点在する扇情的な演出(哀しい音楽とかね)は要らなかった。
また、テーマが色々と浮かんで見えるものの、それぞれの描き方が浅くてまとまりに欠ける。
複数のサブキャラクターのエピソードが丁寧に描かれてるけど、それらが何処かに集約していくわけでも無く、ただ冗長に描かれている印象。
群像劇っぽく描こうとして失敗してる様な印象を受けてしまう。もっとキャラを絞り込んで描いた方が良かった気がするし、「戦争映画」で無く「ヒューマンドラマ」として観るならキャラの掘り下げが全然足りない。

あと、二宮君の演技が褒められてるのが意味不明。
普通に下手なんですけど、、、。素晴らしい演出と際立った役所のおかげで存在感があるだけで、表情や喋りに何の深みも見えない。
前半で彼の親しい仲間だった「野崎」(ヒゲの人)を演じてた役者さんの方が遥かに演技上手い。

この映画を「戦争映画史上最高傑作」とか言ってる人はスタンリー・キューブリックの「フルメタルジャケット」(特に前半)、フランシス・F・コッポラの「地獄の黙示録」、マイケル・チミノの「ディア・ハンター」等を観たほうが良いと思いますネェ。
「ヒューマンドラマ」としてなら前作の「ミリオンダラー・ベイビー」の方がずっと完成度が高いと思う。


とか辛辣な感想になってしまったけど、完成度の高い良い映画なのは間違いないです。
前作「ミリオンダラー・ベイビー」が良すぎたから、期待し過ぎちゃったんだよねぇ。
バロン西が手紙を読むシーンが好きです。彼のキャラも良かった。
もちろん渡辺謙さんは相変わらず凄く良かったです。

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Category: 映画